「真琴ー、理系か文系か決めた?」 「あたし、留学しようかなー」

夏の風物詩、「時をかける少女」のワンシーンです。


普通科の高校に通ってた身からすると、文系か理系かの選択は大変懐かしいもので。(あぁ、もう7年も前の話になるのだ...)


何回やり直したって絶対文系を選ぶんですけど。

ただ、文系か理系かで悩む、というそのシーンは、とにかく懐かしくて、胸が苦しくなるんです。


最近、学生がすごく羨ましいのです。

彼らには時間、エネルギー、そして未来がある。好きなものにかける時間があって、稲妻が体に落ちたような恋を追いかけるエネルギーがあって、何者にだってなれる可能性を秘めている。そんな学生が羨ましくて仕方ないのです。


第一希望の就職先に入社した。社会人になって、1人暮らしを始めて、きちんと自立して、初めてのボーナスで両親を旅行に連れてきた。いわゆる、立派な大人への一歩を踏み出したのかもしれない。 


旅行に連れてきたのは、家族で旅行に行った記憶が皆無だったから。子どものころ、それがすごくコンプレックスでした。夏休みの思い出を書く材料がなくて。そのコンプレックスから、親が連れて行ってくれなかったなら、自分が連れて行けばいいじゃないか、と考えました。それをようやく達成できました。めでたしめでたし。


でも、自分のやりたいことは今の仕事とは別のことなんじゃないか...という迷いと、学生のころもっと夢を追っておけばよかったという後悔を最近抱えていて。


もし、時間を巻き戻せたならなぁ....と思うことが増えました。大人になれない大人です。


そんな大人になれない大人たちが、「もし、時間を巻き戻せたならなぁ...」という思いを抱えている大人に向けて、巻き戻したって意味はない、明るい未来を信じて強く生きよう、きっと、そんなメッセージを込めて作ったんでしょう、時をかける少女」という映画を。